茶道具で花見
【前期】3月9日(土)〜4月21日(日)
【後期】4月23日(火)~6月9日(日)
「花鳥風月」「雪月花」などと日本人は古くより自然の移ろいを肌で感じ、愛でてきました。とりわけ花に対しては特別な思いを抱いたようで、和歌をはじめ物語などの文学作品、やきものやぬりものなどの工芸作品の意匠として多く取り入れられています。四季それぞれに咲く花のなかで、とりわけ人気が高かったのはいうまでもなく桜の花でした。桜の花を待ちわびて人々は胸をときめかせ、またその花の美しさに酔いしれました。
茶の湯はあまり目立たず、派手すぎないことをよしとする傾向があるとはいえ、花に焦点をあてて見ていくと、思いのほか大胆なデザインやデフォルメがなされていることを知ることができます。これも茶の湯の奥深さ、懐の広さを示す好例かもしれません。
前期では春の花を、後期では秋の花を中心に展示いたします。茶道具に意匠化された様々な花が、それぞれに咲き誇っている様子をお楽しみください。
《主な展示作品》
【前期】 円山応挙筆 嵐山春喜図、酒井抱一筆 源氏紅梅図、仁清 色絵花笠香合、藤蒔絵四方香合、古染付桜川水指、柳桜蒔絵棗、草花貼交図屏風 など
【後期】 松村景文筆秋草小禽図、堆黒花籠香合、女郎花蒔絵棗、薩摩瓢形秋草絵茶器、高原焼菊絵茶碗、乾山色絵牡丹絵大皿、九谷寄向付、立花図屏風 など